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2015.2.11 山口県宇部市ときわミュージアム パネルディスカッション「地域におけるアートの役割」

こんにちは。石炭のように地層の中で永い眠りについていたコールマイン研究室
九州支部の國盛です。
菊地室長の漢気溢れる記事の後は若干緊張しますが、参加したシンポジウムの
報告をしたいと思います。

コールマイン研究室が2008年に「炭鉱+アート展」を開催させていただいた
山口県宇部市でパネルディスカッションが開催されました。 飯塚出身で現在
北九州市に在住のアーティスト森秀信さんからお声かけ頂き 地元アーティストや
研究者の方々を交えたパネルディスカッション「地域に おけるアートの役割」
を拝聴しました。

山口県宇部市・山陽小野田市は、石炭やセメント産業を礎に近代化を遂げた地域
です。石炭は江戸時代から採掘され始めたのではないかとされており、海底炭鉱
として栄えました。

宇部独特の炭鉱文化は、日本の各産炭地の中でも特異な個性を放っています。
採炭時の排水や荷疫、通気のために独自開発された技術や、匿名会社を作るなど
まさに自らの暮らしを創意工夫し作ってきた背景があります。

現在は宇部興産として様々な製品を生産する工業地帯です。1961年には
炭鉱などの公害で荒れた風土を改善するために、わが国で最初の野外彫刻展が
始まります。半世紀以上の歴史を経て今なお続く彫刻展は、人口減少や表現の
多様化といった波を受けて、転換期を迎えていると言えます。

大牟田を7:00過ぎに出発 福岡天神⇔ときわミュージアム直行の高速バスで
いざ宇部市へ! ときわ公園へ!


ときわ
 


ときわ

 


ときわ




これは  なにわ



常盤公園は60以上の野外彫刻が展示されており、敷地内には植物園、動物園
石炭記念館もあります。

懐かしい…


今は亡き ときわ公園のアイドルペリカン カッタくんの肖像


3月22日には動物園がオープンするそうで、新たなアイドルはおサルさん
とのことでした。







ときわミュージアムでは、UBEビエンナーレのマケット展覧会や審査が
行われる場所でもあります。この日のパネルディスカッションは宇部現代
美術展Fields of Dreamsの企画の一貫として開催されました。
各パネリストの活動紹介とディスカッションといったプログラムです。

アーティストの原井輝明さんは、山口県宇部市出身の美術家です。
東京からUターンした後、地元で制作活動を行っていました。20代若手の
進路相談から始まった商店街のシャッターアートは、次第に商店街の人から
依頼を受けるようになり、山口大学の美術部なども参加しFCA(おともだち
コンテンポラリーアート)という団体が発足に至ります。
現在は11回目を迎え、この活動が2012年より始まる商店街を舞台とした
「まちなかアートフェスタ」に繋がったとのことでした。

中野良寿さんからは、山口市駅通りに2013年から設置されたN3ART
Lab の活動について報告をいただきました。YCAMが10周年を迎えたことを
きっかけにエコ・アートヴィレッジ(EAVP2013)を開催。その活動から
現在も継続して展覧会を開催し、地元作家に焦点を当てた企画展を複数実施
されていました。 藤川哲さんからは、国内外のビエンナーレや芸術祭に
関する事例と 宇部の将来を見据えた彫刻展に対する新しい視点が投げかけ
られました。 ビエンナーレは元々万国博覧会を参考に生まれたことや
日本においては ビエンナーレ、トリエンナーレといった言葉よりも近年は
「芸術祭」 という表現が増加しているといった最新の動向もお伝えいただき
ました。

九州で唯一のフリーランス・キュレーターである花田伸一さんからは
「モノづくりからモノがたりへ」といったテーマのもと、ご自身がキュレー
ションをされた事例から、宇部の彫刻展に対する考えをいただきました。
宇部はパブリックアートを考える上で、非常に重要な場所であり貴重な歴史
が蓄積されている場所であることを評価されました。
同時に、これからは地域の方が自慢の仕方を考える必要がある、と。
彫刻鑑賞と俳句大会や、清掃ボランティアの持つエピソードに注目する等
彫刻を媒介として生まれるものがたりの可能性を考えられていました。
 
安部泰輔さんの作品が展示されていました。以前筑豊で初公開された
山本作兵衛のオマージュ作品です。


ディスカッション後はなつかしの新天町商店街へ。
FCAの方々が制作されたシャッターアートを改めて見ました。
 


「炭鉱+アート」展を行ったサイトもありました〜 

今回訪れて思ったことは、規模の大きな彫刻が、これだけ街に点在して
いる風景は、やはり特異だということです。工場風景も含めてこのような
環境で育ったら、何かしら独特の造形感覚が養われるのでは ないでしょう
か…。 中には経年によって痛んだものもありますが、よく手入れをされて
いる ものも少なくありません。現在清掃ボランティアは300人程もいらっ
しゃるとのこと。しかし静止した彫刻の量に対して、やはり動的な動き
がまだ少なく、バランスが取れていないのかな、とは感じました。
作品の数や規模は、恒久設置の作品を地域に点在させる大型の芸術祭に
勝るかもしれません。(半世紀の厚みがありますから…)
けれども、その作品が地域や歴史的背景と結びついたり、テンポラリー
な人の表現によって場の空気を動かし創ることもまたとても重要な
ことだと感じました。


國盛


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