2016.11.23 大牟田市民文化のつどい 大牟田合唱祭を観てきました

 

こんにちは。九州支部の國盛です。九州の冬は暖かいです。

先日は18度くらいありましたよ!

 最近は産炭地にどうやって芸術文化活動が入ってきたのか、その過程を

追っかけている日々です。市史、社史、社内誌、新聞記事、文献で見るといった

他に、現在もその活動を受け継いでいるものがあるので、人にお会いしたり

催しを覗いたりしています。

 

その一つに合唱があり、先日は「大牟田市民文化のつどい 大牟田合唱祭」

を観てきました。合唱祭は35回を迎えたところですが、参加団体の中には

1959年〜1960年にかけて起こった三池争議を機に発足した、うたごえ活動に

由来する団体も出場していました。

三池争議を機に、労働歌で労働者たちを鼓舞する為に発足した

「大牟田センター合唱団」や、同団体を立ち上げ「がんばろう」や

「三池の主婦の子守唄」「沖縄を返せ」「地底のうた」等を

作曲した荒木栄の歌を受け継ぐ「荒木栄うたう会」などが出場されていました。

その他にも、産炭地の発展や衰退の過程で発足した合唱団が勢ぞろいで

「戦後の新聞記事等の中で見ていた名前の合唱団が眼前にいる!」という

個人的に激アツの催しでした。

 

 

大牟田文化会館(1986年設立)大牟田市民の文化系催しと言えばココ。

ホールにはスタインウェイのピアノがあります。3階はプラネタリウム。

美術展示には向かない!という声もあり、1990年代前半には美術館建設運動も

発足するのですが頓挫してしまい、現在も主な展示施設はこちらになります。

 

大牟田センター合唱団。炭鉱の工作機械を作る三井三池製作所に勤めていた

荒木栄によって1957年に結成され、三池争議でうたごえ運動を牽引したのが

始まりです。来年で60周年を迎えます。

 

荒木栄うたう会。荒木栄に直接指導を受け、三池争議で活動していたメンバーも

ご在籍していらっしゃいます。また、第一組合、第二組合、三池争議とは

関連のない方、東京でうたごえ喫茶をされている方など、様々な方で構成されて

います。この日はアコーディオン奏者は出演されずアカペラで披露されました。

 

↓こちらは以前、練習を見学させていただいた時の様子。

 大牟田の多目的交流施設「えるる」で定期的に練習されています。

 

 

 

男性混声合唱団 おおむたグリークラブ。1988年発足。

 

 

同時期には九州青年美術公募展が行われていました。

こちらは1976年に炭鉱が斜陽化する中、芸術文化活動と次世代の育成によって

町を活気づけようとした一人の行政マンによって発足した企画の一つです。

美術展と音楽コンクールが現在も続いています。会場内は写真撮影が

禁止でしたが、高校生や大学生の参画が多いように見えました。

 

地元に住んでいると、三井三池に関連する関心事にアクセスしやすく、

町に関わる面白みを感じています。

先日は「おおむたの色クレヨン」を使って小さなワークショップを行ったので

またそのことについてもご報告をしたいと思います。

 

國盛


2016.7.18 福岡県大牟田市 三井三池工業高校 戦前の三池炭鉱と生徒実習の映像が発見されました

IMG_7972

福岡県大牟田市および熊本県荒尾市はかつて三井三池炭鉱によって栄え、
石炭産業を中心とした都市形成がなされていった歴史を持ちます。
明治期には、坑口、竪坑、港湾、鉄道といったものから、自社養成学校といった
次世代の教育機関も設置され、三井工業学校(現福岡県立三池工業高等学校)は
1908年に設立されました。 その高校同窓会である「同帰会」の資料から
戦前の三池炭鉱で生徒が実習している様子を撮影した16ミリフィルムが発見され
映像が復元されました。
7月18日(日)には、カルタックスおおむたで上映会が行われ、発見者である
三池工高の元教諭 鈴木裕和氏と、大牟田市史編纂室長の山田元樹氏らによる
解説や報告と共に公開されました。

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三池工業高校元教諭 鈴木裕和氏による概要の紹介

 IMG_7932
 

フィルムは3巻発見され、軍事教練、各種実習、登校・朝礼・授業・寮生活といった
内容が記録されていました。しかし復元に成功したのは2本で、1本は劣化が激しく
復元が不可能であったとのこと。

フィルムは米コダック社製のもので1928年頃より国内で使用されたものの
日中戦争が開始したことから1937年頃までしか流通せず、この時期に撮影された
ことが考えられました。さらに鈴木氏は学校の記録と照らし合わせ、1934年頃で
あろうと特定されます。当時の三池工業学校は、技術者養成学校として
採鉱科、電気科、機械科、電気科の4科が設置され、三池炭鉱や関連工場といった
実際の現場で実習できる専門性の高さなどから、全国から受験生が集う難関
学校でした。
 

実習は夏休みの長期休暇を利用し、夏期実習として現場に配属され、20日〜1ヶ月
の間行われていたとのこと。採鉱科の実習は、四ツ山坑、万田坑、宮浦坑で行われ
ダイナマイトの扱い、仕繰り、採掘、運搬が行われ、測量や採土実習が
記録されていました。
機械科の実習は、三池製作所での工作や、三池港でのダンクロローダーという
石炭積載器の運転、三池港閘門に油を差すといった実習が行われていました。
電気科では、四ツ山発電所での実習、応用化学科では染料工場や煉瓦工場での
生産実習が記録されていました。
 

映像の中には、1925年から開始された軍事教練という科目の様子もありました。
戦時体制下に備えて陸軍の将校以上の者が教師として配属され、
銃を扱う様子や、行進、体育、査閲の様子が記録されていました。

戦前の炭鉱の様子が映像として記録されている事例は珍しく、貴重であるとの
こと。 会場には、三池工業高校のOBも多く見受けられ、様々な意見が
交わされていました。

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当日は大牟田市立図書館、カルタックスおおむたの3階で上映会が行われ、
会場は満員で立見でも一杯でした。

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映像は損傷が激しい箇所もありました。無音の記録映像です。

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当日配布されたフィルムの静止画資料より



昨年の2015年は終戦から70年という節目の年であり、また来年の2017年には

大牟田市は市制100年を迎えます。この時期に、戦時下での炭鉱の映像が
発見されたことは、私たちに多くの示唆や考えるべきことを示しているように
感じました。映像の中には、すでに失われた施設も多く記録されており
当時の様子をより一層感じられるものとなりました。
映像は同帰会が管理していますが、行政による活用や公開に賛同されている
とのことで、今後この映像が様々な場面で検証され、活用され、受け継がれて
ゆくことが期待されます。

 

國 盛 


2015.2.11 山口県宇部市ときわミュージアム パネルディスカッション「地域におけるアートの役割」

こんにちは。石炭のように地層の中で永い眠りについていたコールマイン研究室
九州支部の國盛です。
菊地室長の漢気溢れる記事の後は若干緊張しますが、参加したシンポジウムの
報告をしたいと思います。

コールマイン研究室が2008年に「炭鉱+アート展」を開催させていただいた
山口県宇部市でパネルディスカッションが開催されました。 飯塚出身で現在
北九州市に在住のアーティスト森秀信さんからお声かけ頂き 地元アーティストや
研究者の方々を交えたパネルディスカッション「地域に おけるアートの役割」
を拝聴しました。

山口県宇部市・山陽小野田市は、石炭やセメント産業を礎に近代化を遂げた地域
です。石炭は江戸時代から採掘され始めたのではないかとされており、海底炭鉱
として栄えました。

宇部独特の炭鉱文化は、日本の各産炭地の中でも特異な個性を放っています。
採炭時の排水や荷疫、通気のために独自開発された技術や、匿名会社を作るなど
まさに自らの暮らしを創意工夫し作ってきた背景があります。

現在は宇部興産として様々な製品を生産する工業地帯です。1961年には
炭鉱などの公害で荒れた風土を改善するために、わが国で最初の野外彫刻展が
始まります。半世紀以上の歴史を経て今なお続く彫刻展は、人口減少や表現の
多様化といった波を受けて、転換期を迎えていると言えます。

大牟田を7:00過ぎに出発 福岡天神⇔ときわミュージアム直行の高速バスで
いざ宇部市へ! ときわ公園へ!


ときわ
 


ときわ

 


ときわ




これは  なにわ



常盤公園は60以上の野外彫刻が展示されており、敷地内には植物園、動物園
石炭記念館もあります。

懐かしい…


今は亡き ときわ公園のアイドルペリカン カッタくんの肖像


3月22日には動物園がオープンするそうで、新たなアイドルはおサルさん
とのことでした。







ときわミュージアムでは、UBEビエンナーレのマケット展覧会や審査が
行われる場所でもあります。この日のパネルディスカッションは宇部現代
美術展Fields of Dreamsの企画の一貫として開催されました。
各パネリストの活動紹介とディスカッションといったプログラムです。

アーティストの原井輝明さんは、山口県宇部市出身の美術家です。
東京からUターンした後、地元で制作活動を行っていました。20代若手の
進路相談から始まった商店街のシャッターアートは、次第に商店街の人から
依頼を受けるようになり、山口大学の美術部なども参加しFCA(おともだち
コンテンポラリーアート)という団体が発足に至ります。
現在は11回目を迎え、この活動が2012年より始まる商店街を舞台とした
「まちなかアートフェスタ」に繋がったとのことでした。

中野良寿さんからは、山口市駅通りに2013年から設置されたN3ART
Lab の活動について報告をいただきました。YCAMが10周年を迎えたことを
きっかけにエコ・アートヴィレッジ(EAVP2013)を開催。その活動から
現在も継続して展覧会を開催し、地元作家に焦点を当てた企画展を複数実施
されていました。 藤川哲さんからは、国内外のビエンナーレや芸術祭に
関する事例と 宇部の将来を見据えた彫刻展に対する新しい視点が投げかけ
られました。 ビエンナーレは元々万国博覧会を参考に生まれたことや
日本においては ビエンナーレ、トリエンナーレといった言葉よりも近年は
「芸術祭」 という表現が増加しているといった最新の動向もお伝えいただき
ました。

九州で唯一のフリーランス・キュレーターである花田伸一さんからは
「モノづくりからモノがたりへ」といったテーマのもと、ご自身がキュレー
ションをされた事例から、宇部の彫刻展に対する考えをいただきました。
宇部はパブリックアートを考える上で、非常に重要な場所であり貴重な歴史
が蓄積されている場所であることを評価されました。
同時に、これからは地域の方が自慢の仕方を考える必要がある、と。
彫刻鑑賞と俳句大会や、清掃ボランティアの持つエピソードに注目する等
彫刻を媒介として生まれるものがたりの可能性を考えられていました。
 
安部泰輔さんの作品が展示されていました。以前筑豊で初公開された
山本作兵衛のオマージュ作品です。


ディスカッション後はなつかしの新天町商店街へ。
FCAの方々が制作されたシャッターアートを改めて見ました。
 


「炭鉱+アート」展を行ったサイトもありました〜 

今回訪れて思ったことは、規模の大きな彫刻が、これだけ街に点在して
いる風景は、やはり特異だということです。工場風景も含めてこのような
環境で育ったら、何かしら独特の造形感覚が養われるのでは ないでしょう
か…。 中には経年によって痛んだものもありますが、よく手入れをされて
いる ものも少なくありません。現在清掃ボランティアは300人程もいらっ
しゃるとのこと。しかし静止した彫刻の量に対して、やはり動的な動き
がまだ少なく、バランスが取れていないのかな、とは感じました。
作品の数や規模は、恒久設置の作品を地域に点在させる大型の芸術祭に
勝るかもしれません。(半世紀の厚みがありますから…)
けれども、その作品が地域や歴史的背景と結びついたり、テンポラリー
な人の表現によって場の空気を動かし創ることもまたとても重要な
ことだと感じました。


國盛


産炭地の現在[ Mikasa ]


▲三笠の旧炭住街の現在

▲林研究員
Coalmine Lab. Hokkaido Branch Officeの林哲より産炭地レポート第二弾が届きましたので会場で流しています。今回は一人で行ったそうで、車を運転しながらカメラを回すという荒業で臨場感たっぷりの映像になっています。特にエンディングの奔別立坑やぐらの映像は必見です。

▼また、コールマインラボを紹介してくれているページをご紹介。

○コールマインラボを応援していただいているテツさんのブログにて展覧会レビューがアップされています。

中年とオブジェ〜魅惑のモノを求めて〜

○川俣正[通路]公式ブログにて先日のカフェトークの様子が紹介されています。

川俣正[通路]公式ブログ

この他にもたくさんの方にご協力・ご賛同いただいています。ありがとうございます!
(菊地)

コールマインシアター


北海道の林研究員から送られてきた動画レポートをプロジェクターで投影しています。近日中には第二弾(三笠)のレポートを公開しますので、ご期待ください。
また、同じく近日中にコールマインプレゼンテーション写真も追加します。どんな内容かは見てのお楽しみ、という事で。
(菊地)

産炭地レポート予告


コールマイン研究室 Hokkaido Branch Officeの林哲から次回リサーチの予定が送られてきました。次回は2月20日(明日ですね)、目的地は三笠との事です。
三笠は川俣氏の出身地であり、北海道で初めて本格的に炭鉱が開かれたマチであり、北海道で初めて鉄道が敷かれたマチであり、北海盆唄(ルーツは炭鉱盆踊り)の発祥の地であったりと、いろいろな意味で重要なスポットです。ご期待ください。
(菊地)

産炭地の現在レポート





■プロジェクト紹介
「産炭地の現在レポート」は、コールマイン研究室が活動を行う[通路]会期中の産炭地の様子を外部研究員の林哲が動画と写真にてレポートするものです。先日は第一弾として上砂川・赤平等のレポートが送られてきました。研究室の掲示板には随時送られてきた写真や地図などをクリッピングし、動画も紹介していきます。
(菊地)

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