球体のパレット〜タグチ・アートコレクション〜

4月16日に北海道立帯広美術館で開幕した展覧会「球体のパレット〜タグチ・アートコレクション〜」にて、三笠プロジェクトの作品がパネルと写真で紹介されています。



川俣正による昼の炭鉱町の風景



コールマイン研究室(菊地拓児+林哲)による夜の炭鉱町の風景


三笠プロジェクトは、北海道インプログレスHPからの事前申し込み制にて見学を受け付けています。展覧会場に三笠プロジェクトのリーフレットも置かせていただいてます。

ミュージアムショップではオリジナルグッズも販売しています。
釧路、函館、札幌にも巡回予定。

ぜひ、展覧会と併せて三笠プロジェクトにも足をお運び下さい。


(菊地)

『甦る炭鉱の記憶』展







市立小樽美術館で開催中の『甦る炭鉱の記憶』展を鑑賞してきました。今は無き夕張市美術館の収蔵品を中心に、炭鉱・炭鉱町に縁のある作家による美術作品群が展示されています。
小樽は、かつて幌内から手宮まで鉄路で石炭輸送を担った歴史があり、空知の各産炭地と繋がっていました。当時は幌内線をはじめ鉄路が石炭と人の輸送を担いましたが、閉山後その多くは役目を終えていきました。そのため、空知管内には多くの廃線跡があり、駅舎やホーム、当時のSLが残っている場所もあります。

本展は、北海道の近代化・石炭運搬の一躍を担った小樽の地で、炭鉱をテーマとした道内作家中心の展覧会として見応えのあるものでした。
近年、炭鉱をテーマとした美術展という意味では、目黒区美術館の『文化資源としての炭鉱』、原爆の図丸木美術館の『坑夫・山本作兵衛の生きた時代』がありましたが、それらとはまた異なる作家を交えつつ地元北海道ならではの切り口で、道内作家の中でも特に畠山哲雄さんを中心に据えながら構成されていました。あくまで「北海道の炭鉱」に限定した美術展という意味では、本展開催の意義を強く感じました。

かつて夕張市美術館で開催された展覧会に出品されていた岡部昌生氏・佐藤時啓両氏の作品とは15年ぶりくらいに再会し感慨深いものがありました。両氏と、彼らと夕張の結節点になった風間健介氏(先日亡くなりました。彼については改めてテキストを書きたいと思います)の作品・活動に、90年代当時衝撃を受けた者として、時を経てこのような展覧会が開催された事を嬉しく思いつつ、会場を後にしました。


(菊地)

坑夫・山本作兵衛の生きた時代〜戦前・戦時の炭坑をめぐる視覚表現

原爆の図丸木美術館で開催中の展覧会『坑夫・山本作兵衛の生きた時代〜戦前・戦時の炭坑をめぐる視覚表現』について、展示の感想も織り交ぜながらご紹介したいと思います。

今回の展示では、タイトルにもあるように山本作兵衛を中心に同時代の様々な視覚表現を取り上げ紹介している点がポイントになっています。ユネスコの世界記憶遺産認定で話題となった作兵衛さんの炭坑記録画ですが、原画を見る機会は今後限られてくると予想されますので、これだけまとまった形で本物を見る事が出来るというのは貴重だと思います。そしてその展示の仕方についても興味深いものになっていますので、ぜひ会場でご覧いただく事をオススメします。

そして個人的には、作兵衛さん以外の炭鉱関連の展示群に強く惹かれるものがありました。視覚表現という切り口から、当時の炭鉱がどのようなものであったかを現在に伝える様々な断片が展示されており、メディアや見え方も本当に様々です。そして、九州・常磐・北海道の違いも浮かび上がってくる構図になってます。 ※こういった企画でいつも抜け落ちがちな宇部炭田・大嶺炭田についても触れられていれば尚多角的で充実したものになった気もしますが、これは今後の発見等に期待ですね。

そしてやはり、戦前から戦後復興までを支えた巨大エネルギー産業であった炭鉱を再考する展覧会を、丸木夫妻の原爆の図を展示する丸木美術館で開催した事に、この展覧会の骨太な意義を感じます。いま青森県八戸市で、アートを通じて工場を取り上げる実験を現在進行形で行っていますが、産業とアートがどのような形で交錯するのか、目黒区美術館で開催された文化資源としての炭鉱展と同様に、本展では1つの可能性を提示しているように思います。

(私も炭鉱をテーマとしているので)ハッキリ言ってしまうと、現代のアートシーンの中で決してメジャーなテーマではなく、地味でとっつきにくい展覧会だとは思います。しかし、ぜひ若い世代にもっと見てもらいたい展示です。今週末の新宿でのトークで1つのテーマになるであろう「原発と炭鉱」という視点からも、見る事が出来ると思います。展覧会と同時に、東中野にあるポレポレ座での関連企画も注目です。

この夏、炭鉱に触れてみるというのはいかがでしょうか。

坑夫・山本作兵衛の生きた時代〜戦前・戦時の炭坑をめぐる視覚表現

2013.7.13(土)―9.8(日)

会場:原爆の図丸木美術館
埼玉県東松山市下唐子1401  0493−22−3266
共催:作兵衛(作たん)事務所、ポレポレタイムス社
後援:夕張地域史研究資料調査室、みろく沢炭鉱資料館、常磐炭田史研究会、コールマイン研究室
開館時間:午前9 時〜午後5 時
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、7 月30 日〜 8 月18 日は無休
(菊地)


原爆の図丸木美術館 トーク「炭坑を語る」ご報告

去る7月21日(土)、「坑夫 山本作兵衛の生きた時代」展を開催中の原爆の図丸木美術館にて「炭坑を語る」というトークに登場させていただきました。
本展に準備・構想段階から深く関わられ、多くの展示品の収集や提供にも協力されている、萩原義弘さん(写真家)とヤリタミサコさん(詩人)とのクロストークでした。前半は、萩原さんによる各展示の解説。その後山本作兵衛の作品が集合展示されている展示室にて3人それぞれが炭坑について語るといった流れでした。


背景にあるのは、山本作兵衛の炭坑記録画。壁いっぱいに展示されて迫力があります。
この3人での対談は今回で2回目でしたが、それぞれ世代や炭坑との関わり方や表現メディアの違いがあり、毎回新しい発見があります。今回菊地は、「炭鉱の歴史や記憶が現在どのような形で残っているか」という視点から、北海盆唄と、産炭地の学校の校歌をいくつかご紹介しました。黒ダイヤや豊かな炭田といった表現はもちろん、九州のとある学校の校歌には「ピラミッド」(ぼた山の意)というワードが入っていたりします。この他、時代によって様々な表現と地域性があり、興味深いものがあります。これら炭鉱や石炭を象徴するような校歌・歌詞も近年の統廃合によって加速度的に無くなっていると思います。本格的に収集すると色々な発見がありそうです。

そして今週は場所を移して第3弾があります。美術館よりもざっくばらんな感じになると思いますのでお気軽にご来場ください。
余談ですが、会場にある『本』が凄いです。炭鉱関連に限っても、東京では普通見られないような本がたくさんあり、これだけでも一見の価値アリですよ。その他、労働運動関係など興味深いものばかりです。


ラヴァンデリアで炭鉱を語る/ヤリタミサコ+萩原義弘+菊地拓児
日時: 8月3日(土)17時から19時
語り手: 萩原義弘(写真家) ヤリタミサコ(詩人) 菊地拓児(コールマイン研究室)

原爆の図丸木美術館で「坑夫・山本作兵衛の生きた時代〜戦前・戦時の炭坑をめぐる視覚表現」展が開催され、美術館とポレポレ東中野では、トークイベントと関連映画上映とが予定されています。ラヴァンデリアでは、炭鉱をめぐって、写真家の萩原義弘さん、ヤリタミサコさん、菊地拓児さんとのトークと、参加者からの質問をいただく予定。

会場:カフェ・ラヴァンデリア
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-12-9 広洋舎ビル1F
TEL: 03-3341-4845 FAX: 03-6380-5891


長くなってしまいましたので、丸木美術館の展覧会についての記事は次回近日中にアップします。

(菊地)

坑夫・山本作兵衛の生きた時代 フライヤー

原爆の図丸木美術館での展覧会「坑夫・山本作兵衛の生きた時代」のフライヤーが完成しました。どのような展示が出来上がるのか、とても楽しみです。










(菊地)

坑夫・山本作兵衛の生きた時代

原爆の図丸木美術館のホームページ上に展覧会の詳細情報が掲載されました。

原爆の図丸木美術館・企画展ページ

上記ページにも掲載されていますが、会期中に以下関連プログラムがあります。



●オープニングコンサート+トークイベント「炭坑の視覚表現をめぐって」
7月13日(土)午後2時
コンサート出演:緒方もも(バイオリニスト、山本作兵衛曾孫)
トークイベント出演:鳥羽耕史(早稲田大学教授)+保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員)+正木基(casa de cuba 主宰)

●ギャラリーツアー
7月15日(月)、17日(水)−19日(金)、23日(火)−26日(金)
午前10時〜午後4時まで随時
ツアーガイド:正木基(casa de cuba 主宰)

●ギャラリートーク1「炭鉱を語る」
7月27日(土)午後2時
出演:菊地拓児(コールマイン研究室)+萩原義弘(写真家)+ヤリタミサコ(詩人)

●ギャラリートーク2「山本作兵衛を語る」
8月13日(火)午後2時
出演:井上忠俊(作兵衛(作たん)事務所所長)+上野朱(古書店主)+緒方惠美(作兵衛(作たん)事務所代表代理)+本橋成一(写真家・映画監督)

=いずれも参加自由(当日の入館券が必要です)
7月13日、27日、8月13日は、午後1時に東武東上線 森林公園駅南口に美術館の送迎車が出ます。

同時開催:丸木夫妻「足尾鉱毒の図」特別展示

7/27のトークでは菊地も参加させていただきます。皆様お誘いあわせの上ぜひご来場くださいませ。

(菊地)


坑夫・山本作兵衛の生きた時代

展覧会『坑夫・山本作兵衛の生きた時代〜戦前・戦時の炭坑をめぐる視覚表現』のステートメントをご紹介します。この展覧会がどのような意図で企画され、どのようなベクトルを持つ展覧会か、分かると思います。
山本作兵衛さんの炭坑画がユネスコの世界記憶遺産に登録されたのは記憶に新しいところですが、作兵衛翁を中心に据えながらも、その他戦中戦時下での炭鉱に関係した様々な視覚表現をめぐる、貴重な内容になる事と思います。また、目黒区美術館の展覧会以後の調査研究で発見された新たな炭鉱絵画等も展示されるようです。

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2011年5月、田川市石炭・歴史博物館、福岡県立大学が保管する、故・山本作兵衛の炭坑絵画589 点と日記・メモ類108 点 が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)により「メモリー・オブ・ザ・ワールド」(MOW、通称・世界記憶遺産)に登録されました。それを契機として、現在、炭坑(鉱)への関心が寄せられつつあります。
作兵衛は、炭坑を見聞きすることがなくなる孫たちのため、「炭坑とはどういうもので あったか」を絵画として描き残しました。彼が自宅を訪れた人々に炭坑画を持ち帰らせたのは、世代を越えて炭坑への関心が広がるのを期待していたからではないでしょうか。
世界記憶遺産登録を機に、作兵衛の炭坑画の再評価が進められるのは喜ばしいことです。 その一方、他の画家や写真家たちの炭坑を巡る表現を総合的に見渡し、それぞれの時代、それぞれの産炭地の炭坑イメージや表現に込められた意味を読みなおすことも重要です。
本展では、作兵衛が近しい人たちに遺した「炭坑画」をはじめ、同じ筑豊を描いた原田大鳳、井上為次郎、島津輝雄、山近剛太郎、常磐を描いた大宮昇らの絵画作品や、萩原義弘撮影による、戦時の軍需生産美術推進隊が全国に制作した坑夫像、大正期に町田定明が撮影した『三井三池各事業所写真帖』ほか各産炭地の主要炭坑会社の写真帖など、戦前・戦時に生み出された各地の炭坑をめぐる幅広い視覚表現を検証します。
それらの表現からは、炭坑労働の実情や問題点の啓蒙、国家的要請での石炭増産体制の訴え、炭坑生活へのいとおしみなど、さまざまな思いが読み取れるはずです。
戦後、相次ぐ閉山によって石炭産業の火が消え、産炭地を除けば、これらの視覚表現はほぼ顧みられることがありませんでした。今こそ、作兵衛の「孫たちへの願い」を思い起こし、多くの炭坑の表現者たちが、炭坑をどのように受け止め、世に伝えようとしてきたのか、遺された作品群に目を凝らし、耳を澄まし、頭を巡らす時ではないでしょうか。


「坑夫・山本作兵衛の生きた時代〜戦前・戦時の炭坑をめぐる視覚表現」展実行委員会
相談役:山本照雄、本橋成一、小寺隆幸
実行委員:井上忠俊、緒方惠美、上野朱、中込潤、青木隆夫、渡辺為雄、野木和夫、菊地拓児、萩原義弘、正木基、岡村幸宣

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次回は、関連プログラムや刊行物の情報をご紹介する予定です。

(菊地)


坑夫・山本作兵衛の生きた時代

2009年、目黒区美術館で開催された「'文化'資源としての<炭鉱>展」の続編とも言える、炭鉱にまつわる展覧会が開催されます。目黒同様、企画のボリュームが凄いので、数回に分けて情報をアップします。まずは展覧会の基本情報です。


坑夫・山本作兵衛の生きた時代〜戦前・戦時の炭坑をめぐる視覚表現
2013.7.13(土)―9.8(日)

会場:原爆の図丸木美術館
埼玉県東松山市下唐子1401  0493−22−3266
共催:作兵衛(作たん)事務所、ポレポレタイムス社
後援:夕張地域史研究資料調査室、みろく沢炭鉱資料館、常磐炭田史研究会、コールマイン研究室
開館時間:午前9 時〜午後5 時
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、7 月30 日〜 8 月18 日は無休


(菊地)



miner's life 國盛麻衣佳展

ご案内が遅れてしまいましたが、東京銀座にある小林画廊にて、コールマインラボ國盛麻衣佳の個展が開催されています。九州大学の博士課程に在学中の國盛さん、今年は研究と論文に集中すべく、本展以後、年内は発表活動が少なくなるかもしれないと言っていました。ぜひ足をお運びください。

展覧会: miner's life 國盛麻衣佳展
会  期: 2/13(月)-2/18(土)
時 間: 11:30- 19:00 (last day 17:00)
▼会場アクセス等はこちらから
小林画廊のホームページ

(菊地)

宇部石炭記念館での企画展示 in 2012

年明けから、山口県の宇部市石炭記念館にて、コールマイン研究室と川俣正の「炭鉱×アート」プロジェクトを紹介するドキュメント展示が開催されます。
コールマイン研究室からは、これまでの各地での活動記録や、折り紙炭鉱遺産(未公開含む)、『炭山の光』で展示したがしゃぽん等を展示。川俣正は北海道インプログレス三笠プロジェクトの紹介として、来年から制作予定の、炭鉱町の風景をモチーフとしたインスタレーションのプランドローイング他を展示予定。ぜひご覧ください。

   『炭坑アートプロジェクトドキュメント展』

   ■会期 平成24年1月7日(土)〜3月4日(日)
   ■時間 午前9時〜午後5時まで開館
   ■会場 石炭記念館2階
   (〒755-0003 山口県宇部市則貞三丁目4番1号)
   ■入場 無料

(菊地)



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