炭鉱町が登場する映画

今回ご紹介するのは「街の灯(1974年)」。
※同名のチャップリンの名作とは違います。

この作品を知ったのは、炭鉱にそこそこ興味のある人や研究された方なら、一度は読んだ事があるであろう某書籍の中で、九州の産炭地でロケをしたという記述とスナップが載っていたからです。炭鉱や炭鉱町そのものにフォーカスした作品では全くないのですが、制作されたのが70年代という事で、今では見る事の出来ない当時の風景を見る事が出来ると思い、ずっと気になっていました。

いわゆるロードムービーであり、舞台が移り変わる中で、筑豊と有明海が登場します。登場時間は多くないものの、90年代に爆破解体された三井三池炭鉱 四山坑の立坑櫓が登場します。しかも、役者が立坑に登っています。閉坑が1965年なので、撮影されたのはそれから約10年後と思われますが、劇中でも、だいぶ前から使われなくなっているような、荒廃した様子でした。
四山坑の立坑櫓は、志免と同じワインディングタワー式の立坑で、シャープさと頑強さが絶妙に融合した形状だと思います。造形物として見て、とても美しいです。















期待していたほどの内容ではなかったものの、長らく見たかった作品だったという事もあり、貴重な映像でした。
こういった昔の映像作品は、見たくても鑑賞出来る機会がごく限られるのが難しいところですね。

余談ですが、両作品の音楽は佐藤勝(北海道出身)。佐藤勝で炭鉱といえば、「筑豊のこどもたち」「幸福の黄色いハンカチ」「三たびの海峡」も担当されていました。


(菊地)

炭鉱街が舞台になった映画

国内外問わず、炭鉱街が舞台になったり、炭鉱のシーンが登場する映画はたくさんあります。そういった映像を取り上げた論考や企画上映などで取り上げられているものは勿論、その手のものではまず取り上げられない「宇宙大怪獣ドゴラ」レベルのものまで目を通してはいます。
長らく気になってはいたものの、見る手段がなかった作品を、とある方法にて鑑賞する事が出来ました。

まずご紹介するのは「ユーパロ谷のドンベーズ(1986年)」。ストーリーについては割愛しますが、夕張が舞台。現地で撮影されているという事もあり、まだ炭住があり、人が暮らしている風景が映っているのではと気になっていました。

見てみると、登川地区をはじめとした、かつての夕張の風景が映っており、個人的には大変貴重な映像でした。80年代といえば夕張新鉱の事故があった訳ですが、まさしく炭鉱事故で家族を失うくだりや、休坑に伴い夕張を離れざるを得ない家族、残って生活を続ける家族などが登場します。文部省他の推薦作品に指定されている通り、苦境の中でも協力しあいながら子供達が成長する様子を明るく描いています。

また、当時の中田市長がカメオ出演しており、やや無理やりな展開でメロン城や石炭博物館が登場するあたりは、仮面ライダーBLACKを思い出さずにはいられず、映画制作当時の夕張の状況を違う意味で感じます。



















次回はもう一作品についてご紹介します。


(菊地)

2012 三笠

菊地です。宇部市石炭記念館での展示が終わりました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

先日、川俣正氏と今夏の三笠での展開について打ち合わせをしてきました。いよいよ今年から制作に着手します。まだスタートラインに立ったばかりではありますが、ここに至るまで色々ありました。今現在も色々あります(苦笑)。 菊地もやはり作り手なので、現場が始まり、少しずつでもモノが出来上がっていくのを楽しみにしています。炭鉱町三笠で何が出来るのか、継続的に試していきたいと思います。

思えば、2008年の東京都現代美術館「通路」展で行ったトークイベントで、川俣氏は「故郷(三笠)は遠い」と発言していました。それから4年絶ち、その間には様々な人の協力もあり、制作開始に至りました。三笠で制作する作品は、川俣氏にとっても、コールマインラボにとっても、より一歩進んだ新しい展開になります。まだ内容は秘密ですが、ご期待ください。

最新情報は、随時北海道インプログレスのホームページとこちらのブログで発信していきます。

(菊地)


北海道インプログレス『三笠ふれんず』

「川俣正 北海道インプログレス・三笠プロジェクト」を支援する会『三笠ふれんず』のご案内です。この会は、北海道で長期的に展開していくアートプロジェクト「北海道インプログレス」の拠点となる三笠市での活動に対する支援を目的としてたちあがりました。川俣氏の小中高校時代の同級生が中心となり、現在会員を募集中です。
北海道での、新しいアートの実験の場に立ち会いたい・参加したい・応援したいと、本プロジェクトにご賛同いただける方に1口1万円で入会していただくという仕組みです。この会費が、プロジェクトをまわしていく上での原資となり、制作の材料費や必要経費を支える格好です。

「アートプロジェクト」という言葉が一般にも認識される時代に突入し、全国でアートプロジェクトが乱立し、助成金の取り合いになっている節があります。そして、行政や大きな資本主導による国際展やビエンナーレが、二匹目のドジョウ的に今後も増えていく予感もします。その中で、”はじめから助成金目当てで活動する”のではなく、「次回はあるか分からない」という”政治に振り回される形での行政とのタッグ”でもない形で、(訴求力のある)プロジェクトは果たして可能なのか。「プロジェクトというのは、最後には人のつながりでしかない」という点で、ある意味ではプロジェクトの元祖とも言える川俣氏が今回やろうとしている事に、私自身も興味深く思いながら関わっています。

前置きが長くなりましたが、会員への特典が決まりましたので、ご案内をしたかったんです。川俣氏直筆の三笠プロジェクトドローイング(サイン、ナンバー、年号入り/額装済み/八つ切りサイズ)をプレゼントいたします。サンプルを北海道インプログレスホームページに掲載しましたので、ぜひご覧いただき、入会をご検討いただけますと幸いです。ちなみに、絵柄は来年から制作予定の「炭鉱町の風景をモチーフとしたインスタレーション」が中心となります。これで1万円というのは(個人的には)かなりプレミア感のあるものだと思っています。

なるべく、北海道的な”中央の補助金ありき”の発想から離れて、支援する側も推進する側もお互いが納得してメリットを享受しながら、地域の中で事が動いていくのだとすれば、それはぜひ見てみたいですし、北海道を試していくという事にもつながっているように思います。ご興味もたれた方はぜひ、北海道インプログレスホームページをご覧ください。

北海道インプログレス

(菊地)

映画「信さん・炭坑町のセレナーデ」

11/27から全国ロードショーの「映画「信さん・炭坑町のセレナーデ」をご紹介します。
昭和38年の福岡の炭坑町で繰り広げられる物語。原作・監督共に、1950年代の福岡県生まれです。
石炭産業が終焉した後に炭鉱町を舞台にした国内映画で印象的なもの(ドキュメンタリー等のぞく)といえば、99年の鉄道員・すずらん(北海道)、06年のフラガール(常磐)が挙げられるのではないでしょうか。そして2010に「信さん・炭坑町のセレナーデ」。偶然かもしれませんが、5年くらいのスパンで北海道・常磐・福岡と展開しているのが興味深く思えます。
昨年ヒットしたテレビドラマ「官僚たちの夏」でも、石炭産業末期の石炭政策をテーマにした回がありました。時と共に薄れていく炭鉱の記憶が、映像という形で現代に伝えられるというのは大切な事だと思います。公開されたら「信さん」見に行ってきます。



菊地

舞台は北の炭鉱町。

菊地です。炭鉱町が舞台の小説「カシオペアの丘で」をご紹介します。
物語が展開する北海道の「北都」という架空の町は、北海道空知に実在する某炭鉱町がモチーフになっています。巨大な観音様がある町と言えば、分かる方は分かるのではないでしょうか。火災が起こった坑内に注水を決行して悪人扱いされる経営者や、地域を牛耳る炭鉱会社など、誰やどこがモデルになっているか分かっていると、非常に興味深く読む事が出来ます。炭鉱町が舞台になるお話というのは概して「重い・暗い・悲しい」のですが、この小説もヘビーウェイトです。
個人的に興味深かったのは、観音様が物語の重要なキーになっている点です。もちろん設定は架空のものですが、道民なら誰でも知っているであろう、あの大観音像を取り上げて、(ストーリーの中で)重要なシンボルに見立てているのは驚きました。ご興味持たれた方はぜひ。



そして、もう一点ご紹介。1984年に放送されたテレビドラマ「昨日、悲別で」。
ご存知の方も多いでしょうが、脚本は「北の国から」で有名な倉本聰さんが手がけています。放映後、現在までソフト化されていないため、長らく見る事が出来なかったのですが、最近(?)某動画サイトに全話がアップされ、見る事ができます。ドラマに登場する「悲別ロマン座」というのは旧住友上歌鉱会館です。
舞台となっている「悲別」は架空の炭鉱町ですが、当時は空知管内でもいくつか炭鉱が操業していたので、稼動している鉱業所や石炭運搬列車のシーンを見る事が出来ます。エンディングのクレジットには[ 協力 空知炭鉱(株)]と書かれていました。寂れていく炭鉱町の悲哀と、その町を捨てた若者の苦悩が伝わってくる、良質な人間ドラマです。



軍艦島

元グループ炭坑夫メンバーF氏から軍艦島の写真が届きました。先日、ツアーに参加してきたそうです。元々、炭鉱がなんら注目されていなかった90年代に北海道で炭鉱遺産めぐりをしていた氏にとっては、定員満員のツアーで、整備されたルートを見学するというのは何とも不思議な感覚だったそうです。公開から約一年経っても、人気は衰えていないようですね。



廃墟に乞う

少し前の話題ですが、夕張ご出身で北海道在住の作家佐々木譲さんが直木賞を受賞されました。
受賞作「廃墟に乞う」の舞台となっているのは北海道の炭鉱町。夕張にある某ダム湖や発電所といった、おなじみの炭鉱遺産の描写も登場します。個人的な感想ですが、山あり谷ありの大どんでんがえしとは無縁な、淡々とした印象を受けました。炭鉱町の他にも、北海道が抱える様々な地域の問題や背景を取り込まれているように思います。興味を持たれた方はぜひ。


炭鉱遺産 写真集

北海道の炭鉱遺産を特集した写真集が出ているようです。都内の大型書店でも置いていました。北海道の炭鉱遺産は、夏は緑・冬は雪に覆われて独特の表情を見せるのが大きな特徴です。炭鉱遺産系の写真集やカレンダーは最近はよく見かけるようになりましたね。。。。



軍艦島 一般公開

本日4/22より、端島こと軍艦島への上陸が解禁されたようです。新聞各紙・ウェブニュース等で報じられています。早速、近畿日本ツーリストが日帰り上陸ツアーを企画し、既に参加申し込みをスタートさせています。今後は他にも様々なツアー企画が出てくる事と思います。




以前より「軍艦島を世界遺産へ」という動きがあり、現在は文化庁の国内暫定リストに入っています。↓こちらのサイトが詳しいです。


軍艦島は人が住んでいた頃から多くの写真家の被写体となり、閉山後は廃墟マニアの間で伝説化(聖地化?)し、広告や多くのメディアに取り上げられています。ある意味では国内で最も有名な炭鉱遺産と言えるでしょう。これだけ知名度のある軍艦島の産業観光ツアーが浸透していけば、他の産炭地の炭鉱遺産活用においてもプラスになる面は多いと思います。

あまり大きな声では言えませんが、室長菊地の知り合いでも過去に軍艦島に上陸した人が数人います。ちなみに私はまだ行った事がありません。いずれ、必ず行きたいと思います。

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