宇部石炭記念館での企画展示 in 2012

年明けから、山口県の宇部市石炭記念館にて、コールマイン研究室と川俣正の「炭鉱×アート」プロジェクトを紹介するドキュメント展示が開催されます。
コールマイン研究室からは、これまでの各地での活動記録や、折り紙炭鉱遺産(未公開含む)、『炭山の光』で展示したがしゃぽん等を展示。川俣正は北海道インプログレス三笠プロジェクトの紹介として、来年から制作予定の、炭鉱町の風景をモチーフとしたインスタレーションのプランドローイング他を展示予定。ぜひご覧ください。

   『炭坑アートプロジェクトドキュメント展』

   ■会期 平成24年1月7日(土)〜3月4日(日)
   ■時間 午前9時〜午後5時まで開館
   ■会場 石炭記念館2階
   (〒755-0003 山口県宇部市則貞三丁目4番1号)
   ■入場 無料

(菊地)



北海道インプログレス『三笠ふれんず』

「川俣正 北海道インプログレス・三笠プロジェクト」を支援する会『三笠ふれんず』のご案内です。この会は、北海道で長期的に展開していくアートプロジェクト「北海道インプログレス」の拠点となる三笠市での活動に対する支援を目的としてたちあがりました。川俣氏の小中高校時代の同級生が中心となり、現在会員を募集中です。
北海道での、新しいアートの実験の場に立ち会いたい・参加したい・応援したいと、本プロジェクトにご賛同いただける方に1口1万円で入会していただくという仕組みです。この会費が、プロジェクトをまわしていく上での原資となり、制作の材料費や必要経費を支える格好です。

「アートプロジェクト」という言葉が一般にも認識される時代に突入し、全国でアートプロジェクトが乱立し、助成金の取り合いになっている節があります。そして、行政や大きな資本主導による国際展やビエンナーレが、二匹目のドジョウ的に今後も増えていく予感もします。その中で、”はじめから助成金目当てで活動する”のではなく、「次回はあるか分からない」という”政治に振り回される形での行政とのタッグ”でもない形で、(訴求力のある)プロジェクトは果たして可能なのか。「プロジェクトというのは、最後には人のつながりでしかない」という点で、ある意味ではプロジェクトの元祖とも言える川俣氏が今回やろうとしている事に、私自身も興味深く思いながら関わっています。

前置きが長くなりましたが、会員への特典が決まりましたので、ご案内をしたかったんです。川俣氏直筆の三笠プロジェクトドローイング(サイン、ナンバー、年号入り/額装済み/八つ切りサイズ)をプレゼントいたします。サンプルを北海道インプログレスホームページに掲載しましたので、ぜひご覧いただき、入会をご検討いただけますと幸いです。ちなみに、絵柄は来年から制作予定の「炭鉱町の風景をモチーフとしたインスタレーション」が中心となります。これで1万円というのは(個人的には)かなりプレミア感のあるものだと思っています。

なるべく、北海道的な”中央の補助金ありき”の発想から離れて、支援する側も推進する側もお互いが納得してメリットを享受しながら、地域の中で事が動いていくのだとすれば、それはぜひ見てみたいですし、北海道を試していくという事にもつながっているように思います。ご興味もたれた方はぜひ、北海道インプログレスホームページをご覧ください。

北海道インプログレス

(菊地)

宇部市制施行90周年記念式典

2008年にプロジェクトと展示を行った山口県宇部市から連絡をもらいました。宇部市は今年で市制90周年という事で、様々な記念事業を展開されています。
11月1日に開催される「宇部市制施行90周年記念式典」では、会場となる「渡辺翁記念会館」にて、コールマインラボが2008年にリサーチした炭鉱にまつわる資料とパネルの展示が行われるとの事です。
また、12月にときわ公園で開催される「TOKIWAファンタジア」に併せて、石炭記念館でも炭鉱にまつわる企画展を行うとの事です。

久しく足を運べていませんが、宇部は熱いですね。

(菊地)

スカブラ市場 in 黄金町

事後報告になってしまいましたが、去る10/10に、横浜で展開中のアートプロジェクト黄金町バザールで行われた「山本作兵衛 炭坑記録画原画展」の関連企画で、トークを行いました。トークゲストは、山野慎吾さん(黄金町バザール2011キュレーター)、母里聖徳さん(NPO法人アイアートレボ代表)、菊地(コールマインラボ)で、司会が國盛(コールマインラボ)でした。ちなみに、山野さんと母里さんは、川俣正のコールマイン田川プロジェクトにも深く関わっておられた方なので、そちらの話題も出ました。

山本作兵衛の記録画が、ユネスコの世界記憶遺産に認定されたのは記憶に新しいところですが、認定後、おそらく関東では初めての原画展示だったのではないでしょうか。母里さんのお話によると、認定後メディアをはじめ様々なところからの問い合わせ等が殺到し、一気に状況が変わったようです。現地の博物館も、原画の展示は控える方向になっているそうで、今後現物を直に見る機会は一気になくなる可能性が高いです。



母里さんは、コールマイン田川プロジェクトの10年を経て、新たにご自身でNPOを立ち上げ、筑豊全体でアートプロジェクトを展開する活動をなさっています。
今回の黄金町バザールでも、「筑豊スカブラ市場」という、筑豊感バリバリのスペースで活動の紹介や作品の販売等を行っています。北海道の動きとも是非連動させていただきたいものです!

(菊地)

『炭山の光』エッセイ風レビュー



詩人であり、美術にも造詣の深いヤリタミサコさん(空知の朝日炭鉱のご出身)から、『炭山の光』についてエッセイ風のレビューを寄せていただきましたので、ご紹介させていただきたいと思います。
※ヤリタさんは、はるばる東京から展示を見に来てくださいました。

(菊地)



炭山の光 - LIGHT of coal mine - 展の空間は

 夏でもひんやりと冷たい石の建物に足を踏み入れると、闇の中に何かが柔らかに、すっと近寄って来た感じ。 初めての驚きとか、警戒するような境目とかはない。どこかで見たことのあるようなないような、きっとない んだろうけど、でも見たことがある気がする。
 優しい光の通路が縦横にめぐっているのだ。外部なのになぜか自分の内部のよう。胎内感覚に近いのかなあ。 よく見ると直線の光の流れなのだけど、曲線のような印象。ぼわーっとしていて、この光の通路を辿って行け ば、記憶以前の記憶にたどり着くかもしれない。
三段登る小さな階段がある。おそるおそる登る。そして見えるものは、と言えば、見えないものが見えている 気がした。山の斜面に張り付いて建っている小さな家たちの明かりが無数に。抽象化された立体作品だから、 具象的なものは描写されていない。それが逆に、その明かりひとつひとつの個別の生活や、この町全体の暮ら し、ということを想像させる。見れば見るほど飽きない。いや、見れば見るほど、そこに配置された具体的事 物を見なくなり、表現された空間を楽しんでいる。でも階段の上だから、もう降りなくてはならない。名残惜 しいような気がするが、現実に戻らなくちゃ。
 階段を降りて頭を現実に戻すと、心に残像が残る。俯瞰した町の明かりと暖かさ。それが坑道を模した光の 通路の上に、見えない形で存在している。うーん、やられたなあ。光のアートというと、もっと強烈か光以外 に主体があるか、どちらかが普通だ。このような見えないものを照らし出す光のアートは初めての体験だ。  このアートを見る前日に、私は「十勝千年の森」にある、ヨーコ・オノの作品を体験してきた。古い農家の 室内に、空を映しだすテレビモニターと、呪文のようなコトバによるインストラクション、そして庭には「雲 の曲」という不思議な穴。この3つを肺いっぱいに吸い込むと、私は急速に地球のヘソの中に入り込んでしま った。不思議の国のアリスのように、時間空間の枠組みが突然消えてしまったような。理性が無重力状態にな っている。タイムトリップしている。浮遊感を楽しみつつ、説明係の人の声を聞いて、ようやく十勝の現実の 土の上に戻った。
 そして、翌日は「炭山の光」。階段を登って見る仕組みでは、見た人一人一人が個別に見る空間は他人と共 有しないし、それぞれが自分の何かを投影した空間を見ている。瞬時に空間軸を変更されたために見えてくる、 見えない何か。多くの観客は、懐かしさや温かさを感じる。でもそれ以上の何か。黒い空間と小さな光のはず なのに、もっといろいろなものが見えたような記憶が残る。
 結果としては、時間軸と空間軸が見る人それぞれによって恣意的に変化しているのではないか。遠近や大小 のスケールが揺らぐ空間で、過去現在未来がすべてここにあるように感じる。
 タイトルから見ると炭鉱の坑道と炭鉱町を抽象化した作品なのだろうが、それ以上により抽象化されたもの が立ち上がっている。光によって心理的な揺らぎが生まれ、そこから感覚や記憶が呼び起され、作品を見てい るうちに、表現されている作品の時間的空間的奥行きが身近に感じられてくる。坑道の明かりが、夜の空が、 どこまでいつまで続いているかは、見る人それぞれの感覚次第。小さくて無限な空間だった。


ヤリタミサコ

シークレットアイテム

『炭山の光』で、がしゃぽんのシークレットとして用意していたのは、これでした。






某炭鉱の抗口浴場のタイルとモルタルが一体になった、大きな欠片です。下の欠片は、がしゃぽんに入っているタイルを数枚揃えると完成するという仕掛けでした。欲しい!という奇特な方がいらっしゃったら、販売しますのでご連絡ください(笑)。
ちなみに、シークレットは3個用意していましたが、1個はお子さんが当てて持って帰られたそうです。その1個というのは”錆びた坑内無線機”(勿論、使用不可)でした。

(菊地)

『炭山の光』展示風景紹介

コールマイン研究室 [ 菊地拓児 × 林哲 ] 炭山の光 - LIGHT of coal mine - の会場の展示風景を少し紹介します。
今回の展示は、空間体験型の展示であったため、写真では空間の雰囲気や感触が伝わらないのですが、写真を中心にご紹介します。コンセプトや中身の意味合い等については、会場に展示していたプロジェクトブックに書いていました。読んだ方がどのくらいいるのか不明ですが。


■石蔵ファサード

展示の会場は、明治42年に建てられた札幌軟石造の石蔵です。









■1階

地下の坑道を三次元で立体的に制作。かつての炭鉱では、人が石炭を採掘するために深く掘りすすんだ事で地下数百メートルまで光が届いていたという事から、光のラインで坑道をイメージさせています。









■2階

1階中央部の階段を登り、天井の開口部から頭を出して2階を見渡すと、地上をイメージした点光源による空間が広がります。






■小展示

フィギュアの展示を行いました。






次回は、残念ながら会期中には3個中1個しか出なかった、がしゃぽんのシークレットの正体を明かします。

(菊地)


御礼

先月より一ヶ月開催していた『炭山の光』ですが、9/11で最終日を迎え、無事に会期を終える事が出来ました。撤去搬出では、設営も手伝ってくれた北海道教育大学岩見沢校の学生が協力してくれたおかげでスムーズに作業を完了出来ました。会期中ご来場いただいた皆様、様々な形でこの展示にご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

会場のそらち炭鉱の記憶マネジメントセンターのブログでもご報告していただいているのですが、岩見沢という立地にも関わらず、会期中には約700名の方にご観覧いただきました。コールマイン研究室としては実験的側面の強い展示で苦労も多かった分、これだけの方にご覧いただけた事は本当に嬉しく、これからの活動にも弾みがついた思いです。追って、この展示についての解説等をアップしたいと思います。


(菊地)


座談会

『炭山の光』が11日で終了します。
そこで、最終日の11日(日)の夕方くらいから、菊地と林が会場で学生や来場者の方とお話などしようかなと思ってます。会場となっている「そらち炭鉱の記憶マネジメントセンター」のブログには思いっきり”ギャラリートーク”と告知されていますが、お決まりのアーティストレクチャーや作品解説をする気はありませんので、あしからず。ただ、特別に作品の裏側公開なんかをしようかなと思ってます。
なんていうんですかね、作者が会場で酒を飲んでくだを巻いてるみたいな感じの予定です(笑)。なので、特に時間もハッキリ決めておらず、積極的にお越し下さい!という感じでは全くないのですがよろしければどうぞ。

(菊地)

会期中報告



コールマイン研究室の林です。

先日、『炭山の光』展示開始後初めて岩見沢に行ってきました。 残暑というのにふさわしい気温でしたが、展示室となっている石倉の中はひんやりと快適な温度です。

このどっしりと静かな空間に観覧者として立つと、畏怖やノスタルジアという感情が浮かんできました。

製作者として、現実を精密に縮小するのではなく、起動剤となるイメージを立体に作ったので、自ら体感する楽しさがあります。

作品は問題なく稼動しておりました。(細かいメンテナンスを行いました)
皆様にもこの『個人体験型』作品を見に来ていただきたいです。会期は残すところあと5日です。

(林)


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