「さよなら、ぼくらの大煙突」終了



八戸工場大学×東北電力八戸火力発電所のアートプロジェクト「さよなら、ぼくらの大煙突」を開催しました。心配だった天候にも恵まれ、公開試運転・本運転ともに予定通り実施。

今回のプロジェクト成功の立役者は八戸火力の皆様!です。工場で働く皆さんと、ここまでガッツリとタッグを組んでアートプロジェクトを運営するというのは初めての体験でした。

関係者の皆様、本当にお疲れさまでした。追って、報告や写真をアップできればと思います。


(菊地)

コンセプトマケット

「さよなら、ぼくらの大煙突」の企画検討時に制作した、八戸火力発電所3号発電機煙突の模型です。



かつて制作した立坑櫓の立体作品も、1月に展示した「タワープラント8」も、実際に自分で作ってみることで魅力や構造に気づかされる事があります。今回の煙突はその中でも複雑な形状。そして、この線材で構成されたシルエットにどのように照明を仕込んで点灯イメージを表現するか、苦心しました。
今回の企画の中で、展示して実際に見てもらえるとよいのですが・・・。

さて、本企画の画期的なポイントの一つは、アートプロジェクトのために発電所敷地内の一部を一般解放する事です。これまでに行った「-162°の炎」でも「虹色の狼煙」でも、観客が工場の敷地内に立ち入る事は叶いませんでした。通常、工場は厳密に管理されていますので、許可を得て事前申し込みした人や関係者しか立ち入る事が出来ないのが一般的です。今回は、発電所側の特別な配慮で当日の受付入場が実現しました。また、通常は見学者であっても構内ではヘルメット着用が義務付けられているのですが、区画を限定する事でヘルメットなしで入場出来ます。

この二日間だけ特別に、間近から大煙突を眺める事が出来ます。是非、ご来場下さい。 明日から現地で最終準備に入ります。


(菊地)

「さよなら、ぼくらの大煙突」ビジュアル




しつこく書きますが、今回試みるのは『アート作品が用意されていて、鑑賞者の皆様どうぞご覧下さい』もしくは『綺麗にライトアップするので、みなさん是非写真撮って下さい』というものとは少し違います。

来場者自身が発電して、その電力で大煙突を照らすというもの。発電所は電気を「つくる」ところであり、その電気を「使って」私たちは生活しています。この「つくるとつかう」の関係が、アートにおける「つくるとみる」の関係性に重なる気がしたところから着想したものです。
(電気を)”つくる”場である発電所において、(アートも)”つくる”側に回ることで初めて”みる”ことが出来ると。いわゆる「鑑賞者の問題」や「みるということをもっと真剣に考えないといけない」といった長年気になっていた項目があり、作り手と受け手を隔てる第四の壁を取り払う試みは、アートプロジェクトにおいてこそ意味を持ち得るのではないかと考えました。

こんな一味違ったアートプロジェクト、どうなるか分かりませんが是非ご来場ください。


(菊地)

「さよなら、ぼくらの大煙突」予告

今夏のプロジェクト情報がようやくリリースになりました。
既に本番まで約半月ですが・・・。

八戸工場大学ウェブサイト『さよなら、ぼくらの大煙突』



テートモダンや発電所美術館を筆頭に、役目を終えた発電所や工場跡で行われる企画は数あれど、現役で稼働中の最新鋭火力発電所の中で、大手電力会社の全面協力のもと、行政も市民も1つになってアーティストの発想を実現させるという取組みは他に類を見ないでしょう。
そして、アートプロジェクトや芸術祭で当たり前になっている「アーティストが(何がしかの地域資源や場所性を取り込んで)作品化する・受け手はその作品を鑑賞する」という構造とは少し違うものを試みます。アートにおいて、『第四の壁』を取り払ったらどうなるのか。発電所という場所だからこそ実験してみたいと考えたものです。

■プロジェクトサイトについて

東北電力八戸火力発電所は昭和33年に運開し、今年60周年。主に北東北の電力をまかない、青森県内に限ってはその8割を同発電所が担っています。現行の5号機はLNGを燃料とし、世界トップクラスの効率と環境性能を持つコンバインドサイクル発電。LNGは、八戸工場大学とJX LNGサービスが連携した「-162℃の炎」の舞台となった八戸LNG基地からパイプラインにてJX LNGサービスから供給されています。
東北電力初の火力発電所でありながら、東北電力初のメガソーラーも稼働しており、同社の歩み・東北のエネルギー史の中でも重要な発電所だと言えます。同発電所による安定した電力供給は、工業都市八戸の発展を支えてきました。先の震災時には発電施設が被災したものの、めざましいスピードで戦列復帰を果たしました。
今回のプロジェクトでは、2016年に役目を終え今秋から解体が始まる3号機の大煙突を取り上げます。

※東北電力の成り立ちや被災状況・対応などについては『電力と震災 東北「復興」電力物語』(町田徹/2014)が詳しい。



是非ご来場ください。

(菊地)

北海道インプログレス 岩見沢プロジェクト2018 終了

毎年恒例の夏の制作(岩見沢プロジェクトとしては2年目)を行いました。
川俣正氏、三笠+ふれんず会員、北海道教育大学と室蘭工業大学の学生らが中心となり、昨年に引き続きプロジェクトサイトにて足場丸太を組み上げる作業を行いました。一昨年に奈良から運び込んだ丸太の半分以上は今回の制作で使いました。山をイメージした造形物は、昨年から大きく増殖しました。好天に恵まれ、厳しい日差しの中で制作にご参加いただいた皆様、お疲れさまでした。












(菊地)

岩見沢プロジェクト展と八戸工場大学2018

JR北海道岩見沢複合駅舎内にあるギャラリーi-boxにて「岩見沢プロジェクト」のドキュメント展を開催中です。プロジェクトに関わる北海道教育大学の学生が中心となって企画したものです。先日の展示設営で現地に行ってきました。





7/12まで開催していますのでぜひご覧下さい。

i-boxサイトリンク

7/23(月)〜25(水)には、川俣正氏が来道し、公開制作を行う予定です。
詳細はこちらで情報公開予定です。



そして、八戸工場大学2018の受講生募集が始まりました。ぜひどうぞ。

八戸工場大学



(菊地)

またまた、八戸

八戸工場大学の打ち合わせと新年度決起集会のために八戸へ行ってきました。
昨年から何度も練り直していたプロジェクトプランは、おおよその方向性が共有され、夏頃の実現へ向けて一歩を踏み出しました。

アートプロジェクトや芸術祭において、町場の趣きのある場所(歴史的建造物や雑居ビルや廃工場などなど)を会期中に展示会場にして「作家がサイトスペシフィック・インスタレーションをした」のを観客に見せるパターンが、ここ数年のこの手の企画ですっかりクリシェになっている気がして、かなり食傷気味。

今回の我々の試みは、場所・企画・座組み全てにおいて他に類を見ないものになります。
それがどういう意味か、ご期待下さい。




(菊地)

再度、八戸

先月、今年度の企画のためのリサーチとミーティングに出かけてきました。いつもは冬にプログラムを行ってきましたが、今回はもう少し早いタイミングになりそうなため、諸々前倒ししてスタートアップしています。昨年から数回のリサーチに加え関係各方面と協議を進め、おおよそのイメージが出来てきました。




どのような着地になるかまだ分かりませんが、出来る限り遠くへ飛びたいと考えていますので、乞うご期待!


(菊地)

授賞式と重版出来

先日お知らせした、一般財団法人地域活性化センターによる「第22回ふるさとイベント大賞」の受賞式が都内で開催されました。「ふるさとキラリ賞」の八戸工場大学は、審査委員で作家の角田光代様から賞状が授与され、総評では審査委員長の北川フラム氏が八戸の取組みについてコメントをしてくださいました。
展示ブースでは、小規模ながら取組みを紹介する展示を行い、来場された多くの方々に注目を浴びていました。他団体の皆様の熱も凄く伝わってきて、地方創生に力をそそぐ様々な地域の方々の熱気で溢れていました。



会場には、各地から300名近く来場されていたと思います。150を超える応募の中、8イベントが選出されました。




紹介ブースでは、虹色の狼煙のコンセプトドローイング(菊地作)も展示。
先日の「八戸・工場アート展」の様子も。


重厚なフォトフレームフレームに収められた、虹色の狼煙

今回の受賞を弾みにして、さらなる高みを目指せればと思います。


また、企画編集に関わった書籍「アートプロジェクト 芸術と共創する社会」(水曜社/2014年)が重版出来になったようです。元々、日本型アートプロジェクトを考察する学生や作家や現場で奮闘する人達(自分も含まれます)に向けて何か手がかりになればという願いの元で作成したもので、近年益々アートプロジェクトの裾野が広がっている事が、出版から4年での重版につながったのかもしれません。
展覧会図録や雑誌・業界誌と違い、一般書店に並ぶ専門書として、年表や用語の注釈などにも意識を払い、入門書としても機能すると思いますし、ゲストの皆様のプロジェクトに対する並々ならぬ思いがこもった言葉達は4年経っても色あせていません。いい面も、問題点も、アートプロジェクトを様々な切り口から考えるべく、気軽に読み切れるボリュームではないのですが、情報量を考えると決して高い値段ではないかと。アートプロジェクトに関わる、アートマネージャー、アーティスト必読の一冊です。
この機会に是非どうぞ!

ご購入はこちらから



(菊地)

受賞のお知らせ

八戸工場大学2017が、一般財団法人地域活性化センターによる「第22回ふるさとイベント大賞」のふるさとキラリ賞(選考委員会表彰)を受賞しました。
ふるさとイベント大賞とは、全国各地で数多く開催されている地域の活力を生み出すイベントを表彰することにより、ふるさとイベントの更なる発展を応援することを目的としたものだそうです。

大賞(内閣総理大臣賞)は逃しましたが、他の受賞イベントラインナップを見ると、地域に根ざしたお祭りからマラソンイベント、伝統文化系の催しなど幅広いです。音楽コンクールといった文化的な取組みも含まれていますが、”いわゆる現代美術系のアートプロジェクト”が受賞するのは大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ2000以来かもしれません。今回の選考委員長が北川フラム氏という事も、今回の受賞につながった要因なのでは。

ちなみに、他の受賞イベントの開催回数が13回〜41回であり、大賞に至っては200年以上の歴史がある中、工場大学が開催「4」で受賞したのは特異な点かもしれません。

八戸工場大学は、今後もユニークな活動を続けていきます。
今までよりも、操業中の工場にさらに一歩踏み込んだ形で、他に類のないプロジェクト実現を目指して計画中です。来年度の企画にご期待下さい。


(菊地)

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